ジオラマ「わがみなとまちの神戸人形」

神戸の三宮から人工島ポートアイランドに向かう途中に、ポートターミナルというところがあります。
外国からの大型客船が停泊する施設。
ここに、「わがみなとまちの神戸人形」が飾られています。

2017年に、神戸開港150年の企画展『TOY & DOLL COLLECTION』が開催されました。
姫路の日本玩具博物館の所蔵品を様々なテーマに沿って模様替えをしながら、1年にわたって展示していくという大変面白い企画でした。
その中の神戸人形コーナーのため、ウズモリ屋が新規に作ったジオラマ神戸人形です。
大きな台の上に8種類の人形が乗っており、側面の8個のツマミでそれぞれ動かします。
展覧会が終わった後、神戸市の施設であるここポートターミナルに置いてもらうことになったのでした。

シルクハットの紳士は健在でした。
これは『TOY & DOLL COLLECTION』展の入口に看板代わりに立ってくれていたもの。

人形はどうだろう?
神戸人形が大好きな大阪のS君(中学2年)が、動かなくなっているものが多いと教えてくれていたので気になっていたのです。
今まで2回くらい修理に来ていましたが、このところ全く様子を見に来てませんでした。

これは船乗り。
2017年の展覧会のために150個限定で作った人形と同じ形です。

これはジャズマン。
丸い鼻で、昭和の名人数岡雅敦の作風。新開地のあたりに立っています。

南京町あたりで中華鍋をふるのはキヨシマ屋の人形風。
この人形は中華鍋の中の焼き飯の糸が切れて落ちていました。

北野あたりで幻の作者、八尾のタッチの人形がケーキを食べています。

第三突堤では出崎房松風のマドロスが首を長ーく伸ばして船出を見送ります。
パイプを持つ手が上がらなくなっていました。

神戸センター風のテーラー。はさみと雲形定規を持っています。

兵庫区のあたりに、マッチのステッキを持った小田太四郎のシルクハットの紳士が目玉を飛び出しています。
神戸はかつてマッチづくりが盛んだったそうです。

中突堤の先端で釣りをしているのは、神戸人形の始祖と言われている野口百鬼堂タッチの釣人。この人形は首が動かなくなってしまってました。
また、カッパが出っぱなしに。

吉田がこどもの頃、中突堤で釣りをしたそうです。
ですからこの釣人は吉田が自分自身を重ねていたのでしょう。
メリケンパークが埋め立てられていいないメリケン波止場だった頃の話をよく話していたものです。

ああでもないこうでもないと悩み相談しながら、2017年の展示に間に合うよう必死に作っていたことが、ついこの間のことのように思い出されます。
故障した人形、修理してやりたいなあ。
でもなぜか資料がないのです。
わたしに直すことができるのか?
「できないじゃない、やるかやらないかだ!」(by吉田太郎)

そうだ!やらねばならないぞ!
これを修理することが一つの目標です。

(守津)


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